「細胞検査士」とは顕微鏡でがん細胞をいち早く見つけ出す「がん細胞検査」のスペシャリストです。がんを疑う病変部から作製した顕微鏡標本を顕微鏡で観察し、異常細胞を発見する業務を主に担当します。
細胞検査士資格を取得するには臨床検査技師の国家資格を有し、細胞診検査の実務に1年以上従事した者、あるいは日本臨床細胞学会認定の細胞検査士養成所、養成コースのある大学の卒業見込みの者が日本臨床細胞学会の細胞検査士資格認定試験に合格することが必要です。
全国にある臨床検査技師を養成する大学は63校です。そのうち細胞検査士養成コースのある大学は8校、臨床検査技師資格取得後に専門的に研修をする細胞検査士養成所は2校のみです。細胞検査士の合格率は約30%で非常に難しい資格認定試験です。
本学臨床検査学科1期生の小関ほの香さんは卒業と同時に難関のがん研究会有明病院付設細胞検査士養成所に入学しました。養成所での9ヶ月間の厳しいトレーニングを経て、この度見事に細胞検査士資格認定試験に合格しました。今後がん診療における医療スタッフの一員としてさらなる研鑽を積み、ますますのご活躍を期待します。
本学第1号の細胞検査士おめでとうございます。
私が細胞検査士を知ったのは高校2年のときでした。首都圏にある大学のオープンキャンパスで初めて染色された細胞の標本を見たときです。顕微鏡をのぞくと赤や緑に鮮やかに染まっている細胞を見ることができました。そのときに人体を構成する細胞に生命の神秘を感じ非常に感動したことを今でも覚えています。
そこから細胞検査士になることが夢になりました。まずは細胞検査士受験に必須である臨床検査技師になるため“つくば国際大学医療保健学部臨床検査学科”を受験し合格することができました。
つくば国際大学に入学してから病理検査学の當銘先生との出会いが大きな転機となり、さらに細胞検査士を目指したいという気持ちが強くなりました。當銘先生は病院在職中に細胞検査士を目指す技師を何人も指導した経験があり、先生から多くの知識を得ることができました。
先生の後押しもあり卒業後は、がん研究会有明病院付設細胞検査士養成所に入学することができました。約9ヶ月間細胞診の基礎から顕微鏡でのがん細胞の観察、さらに各種がんについての専門知識を様々な方面から教えて頂きました。養成所での期間は辛い事も多くありました。しかし臨床検査技師として働きながら資格取得を目指すのは難しいとされる資格のため、覚えるべき標本を数多く見たり、珍しい症例の標本を見たりすることができたのは環境が整っている養成所の最大のメリットだと感じました。
今思い返してみると“つくば国際大学での4年間“自らの思いが変わることなく、細胞検査士資格取得を目指したいという意志を強く持てたのは非常に良かったと感じています。
高校生の頃から夢であった細胞検査士になれてとてもうれしく思っています。これから後輩の中から細胞検査士が誕生することを楽しみにしています。